音声をデジタル化する仕組み



以下の説明は分かりやすくするため、多少簡略化してあります。

(1)アナログ信号とデジタル信号
 私たちが耳で聞く音は音波という波です。池に石を投げると波紋が広がっていきますが、これと同様に音は空気の振動として伝わっていきます。この波は、一つの波の中では突然途切れたり、現れたりするのではなく、連続しています。これをアナログ信号と言います。

(2) 音声や音楽はアナログ信号です。これを、電話をイメージに伝わり方を考えて見ましょう。



 アナログ伝送では、途中で減衰して、音が小さくなります。また、途中で雑音が加わることもあります。
減衰した音は増幅器で音を大きくしますが、この時、雑音も同じ様に大きくなってしまいます。
アナログ回線でパソコン通信するときは、モデムと言う装置を使いますが、これはパソコンのデジタル信号をわざわざ、ガーピーというアナログ信号に変換して、伝送するもので、同様に伝送途中で減衰や雑音の影響を受けるので、これを防いで、高速で通信するためには高度な技術が必要です。

(3)デジタル信号の場合の伝送イメージ


(4)デジタル伝送の特徴
 音声をデジタルで送るときは、音声をデジタルの設計図に変換して、その設計図を送ります。
ですから、伝送途中で減衰したり雑音が加わっても設計図が判別できる範囲であれば、元の音声を再現できます。これが、デジタルの最大のメリットです。

補足 

減衰や雑音の影響で波形(パルス)の形が変化しても、判別の基準(しきい値) の範囲内であれば、”1”か”0”かの判断ができます。どんなに形が変形しても”1”は”1”なのです。

(5) パソコン通信では、パソコンのデジタル信号をそのまま伝送できるので、効率良く伝送できます。
 また、ISDNでは、もちろんデジタル通信しているわけですから、TAのアナログポートへ接続した、電話機の音声もTAがデジタルへ変換して通信します。ですから、TAのアナログポートへモデムを接続した場合も、通常、一般の電話回線でモデムを使用するよりもエラーの少ない通信が可能です。