- フレッツADSLは、NTT東西地域会社の提供するADSLサービスで、アナログ電話回線(一般の電話回線)用ケーブルに、高周波数のデータを、音声の周波数と同時に送って、電話回線と高速のインターネットを同時に利用可能にするサービスである。
- 1対の電話用のメタリックケーブルに、音声と高周波数のデータを同時に送るが、交換所側と利用者宅では、スプリッタと呼ばれるフィルタと言う機器で、この2つの信号を分離する。
- 利用者宅では、スプリッタで分離された音声の電話回線は今までの電話回線と同様に利用でき、インターネットには干渉しない(無関係)。分離されたインターネット側はADSLモデムと言う機器に接続して高速のインターネット回線を実現する。注意点は、スプリッタで分離した電話回線側は、従来通り、分岐させたり、少々長く線を延ばしても電話の利用には影響はないが、スプリッタで分離したインタネット側の線は高周波数のデータが流れるため、モデムとの距離はできるだけ短くして、雑音の影響を受けないようにしないと回線速度が低下することがある(引き込み線からスプリッタまでも同様にできるだけ、短く、雑音の影響を受けない環境が望ましい)。
- 交換所側でも、同様にスプリッタと同様の機能を持つフィルタで分離され、電話回線は従来の電話網へ、インターネット回線部分は、局内用のモデムを通して変換され、IP網と呼ばれるインターネットへ接続するための独自のネットワークへ接続される。
- また、ISDN回線はそれ自体が高周波数のデジタル通信を行う方式なので、ADSLでは利用できない。そのため、ISDN加入者がADSLを利用する場合は、一般にISDNを廃止して、アナログ回線に戻すか、ISDN回線を残したまま、ADSLのみ利用できるタイプ2を利用する必要がある。
電話番号については、2002年9月2日から、同じ番号で、アナログ回線に切り替えることが可能になった。
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また、交換所から距離が遠い場合でもモアサービスを利用すれば、ADSLが利用可能。
ただし、速度は距離に応じて、低下する。
私の例で恐縮ですが、自宅が交換所から5.5kmあり、ADSLモア12Mサービスでも実質の速度は400Kb/s前後です。
しかし、月額費用でISDNより安いし、速度もISDNよりは速いのです(高速配信の動画サイトを見なければ特に不便は感じていません)。
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ADSL用には、専用モデムと電話を利用するためのスプリッタという装置が必要、ISDNと同様にインターネットをしながら、同時に電話も利用できる。
☆ ADSL:Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称ディジタル加入者回線
☆ スプリッタ:ADSL回線から、電話回線を分離する機器
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プロバイダとの接続形態は、フレッツISDN同様で、接続は擬似的なダイヤルアップ接続のPPPoEと言うものを使用する。
☆ PPPoE(PPP over Ethernet)
PPPは、ダイヤルアップ接続において、ユーザIDとパスワードを用いて認証し、接続する際に用いられる一般的なプロトコル(通信手順)。
PPPoEは、PPPをイーサネット上で利用するためのプロトコル(通信手順)。
- タイプ1とタイプ2
タイプ1は、電話と併用するもので、もちろん、電話を使いながら、ADSLも同時に利用できる。
タイプ2は、電話は使わないで、ADSLのみ利用するプランで、1契約で電話を2回線利用できるISDN回線で電話は利用して、ADSLはインターネットのみの利用する場合などに適している。
タイプ2では、新たにADSL専用回線を新設することになるが、電話回線とは異なり、設置負担金は不要。
電話回線が無くて、タイプ1を利用する場合は、電話回線の新設が必要になるので、休止中の回線などを保有していない場合は、電話の設置負担金が必要となる(月々の基本料金がわずかに高くなるが、9年間程度の利用期間ならば、設置負担金が不要の加入電話ライトと言うサービスもある)。
月額料金比較で、タイプ2の方が、タイプ1よりも高くなっているが、タイプ1では、このADSL利用料金の他に電話の基本料金・通話料が必要であり、ADSL利用のみ比較では、タイプ2では、ADSL専用回線の利用分が上乗せされているため、高くなっている(タイプ1では、電話回線の利用料で徴収されているので、ここでは含まれていないだけ)。