フレッツADSL


◆ フレッツシリーズの概略

  •  フレッツは、地域系NTT(NTT東日本・NTT西日本)の提供する定額料金サービスで、利用時間を気にしないで使えるメリットがあります。
    しかし、メール程度の利用で、毎月の利用時間が短い場合は、通常のダイヤルアップとタイププラスやi・アイプランなどの割引サービスを利用する方が割安です。自分の利用状況を考慮して利用しましょう。

  •  また、フレッツはベストエフォート型サービスと呼ばれるもので、回線や設備を共用して利用するために低価格で提供されています。その代わり、回線の混雑状況によっては、通信速度が低下することもあります(NTT以外の事業者が提供するADSLやケーブルTVのインターネットサービスもベストエフォート型です)。

  • 費用面では、Yahoo!BBの参入以来、大幅な料金値下げで、組合わせるプロバイダ次第では、Yahoo!BBよりも安くなる場合が増えてきました。
    例 BB.Excite  や ぷらら との組み合わせ

  • 現状では、各プロバイダもIP電話に対応し、費用面は大差が無くなったため、サービス品質やサポート、利便性で選択するべきでしょう(IP V6サービス等)。

◆ フレッツADSLの概略

  • フレッツADSLは、NTT東西地域会社の提供するADSLサービスで、アナログ電話回線(一般の電話回線)用ケーブルに、高周波数のデータを、音声の周波数と同時に送って、電話回線と高速のインターネットを同時に利用可能にするサービスである。

  • 1対の電話用のメタリックケーブルに、音声と高周波数のデータを同時に送るが、交換所側と利用者宅では、スプリッタと呼ばれるフィルタと言う機器で、この2つの信号を分離する。

  • 利用者宅では、スプリッタで分離された音声の電話回線は今までの電話回線と同様に利用でき、インターネットには干渉しない(無関係)。分離されたインターネット側はADSLモデムと言う機器に接続して高速のインターネット回線を実現する。注意点は、スプリッタで分離した電話回線側は、従来通り、分岐させたり、少々長く線を延ばしても電話の利用には影響はないが、スプリッタで分離したインタネット側の線は高周波数のデータが流れるため、モデムとの距離はできるだけ短くして、雑音の影響を受けないようにしないと回線速度が低下することがある(引き込み線からスプリッタまでも同様にできるだけ、短く、雑音の影響を受けない環境が望ましい)。

  • 交換所側でも、同様にスプリッタと同様の機能を持つフィルタで分離され、電話回線は従来の電話網へ、インターネット回線部分は、局内用のモデムを通して変換され、IP網と呼ばれるインターネットへ接続するための独自のネットワークへ接続される。

  • また、ISDN回線はそれ自体が高周波数のデジタル通信を行う方式なので、ADSLでは利用できない。そのため、ISDN加入者がADSLを利用する場合は、一般にISDNを廃止して、アナログ回線に戻すか、ISDN回線を残したまま、ADSLのみ利用できるタイプ2を利用する必要がある。

    電話番号については、2002年9月2日から、同じ番号で、アナログ回線に切り替えることが可能になった。

  • また、交換所から距離が遠い場合でもモアサービスを利用すれば、ADSLが利用可能。
    ただし、速度は距離に応じて、低下する。
    私の例で恐縮ですが、自宅が交換所から5.5kmあり、ADSLモア12Mサービスでも実質の速度は400Kb/s前後です。
    しかし、月額費用でISDNより安いし、速度もISDNよりは速いのです(高速配信の動画サイトを見なければ特に不便は感じていません)。

  • ADSL用には、専用モデムと電話を利用するためのスプリッタという装置が必要、ISDNと同様にインターネットをしながら、同時に電話も利用できる。

     ☆ ADSL:Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称ディジタル加入者回線
     ☆ スプリッタ:ADSL回線から、電話回線を分離する機器

  •  プロバイダとの接続形態は、フレッツISDN同様で、接続は擬似的なダイヤルアップ接続のPPPoEと言うものを使用する。

     ☆ PPPoE(PPP over Ethernet)
     PPPは、ダイヤルアップ接続において、ユーザIDとパスワードを用いて認証し、接続する際に用いられる一般的なプロトコル(通信手順)。
     PPPoEは、PPPをイーサネット上で利用するためのプロトコル(通信手順)。

  • タイプ1とタイプ2

    タイプ1は、電話と併用するもので、もちろん、電話を使いながら、ADSLも同時に利用できる。

    タイプ2は、電話は使わないで、ADSLのみ利用するプランで、1契約で電話を2回線利用できるISDN回線で電話は利用して、ADSLはインターネットのみの利用する場合などに適している。

    タイプ2では、新たにADSL専用回線を新設することになるが、電話回線とは異なり、設置負担金は不要。

    電話回線が無くて、タイプ1を利用する場合は、電話回線の新設が必要になるので、休止中の回線などを保有していない場合は、電話の設置負担金が必要となる(月々の基本料金がわずかに高くなるが、9年間程度の利用期間ならば、設置負担金が不要の加入電話ライトと言うサービスもある)。

    月額料金比較で、タイプ2の方が、タイプ1よりも高くなっているが、タイプ1では、このADSL利用料金の他に電話の基本料金・通話料が必要であり、ADSL利用のみ比較では、タイプ2では、ADSL専用回線の利用分が上乗せされているため、高くなっている(タイプ1では、電話回線の利用料で徴収されているので、ここでは含まれていないだけ)。

 


【NTT東日本】

■フレッツ故障に関する問い合わせ先  フリーダイヤル:0120−242751
   (24時間365日受付)

■フレッツ・ADSL故障に関する問い合わせ インターネットを利用した問い合わせフォームのアドレス
http://www.ntt-east.co.jp/flets/adsl/tec-support.html


【NTT西日本】

■フレッツ故障に関する問い合わせ先  フリーダイヤル:0120−248995
   (24時間365日受付)

■フレッツ・ADSL故障に関する問い合わせ インターネットを利用した問い合わせフォームのアドレス
http://www.ip-nw.com/toiawase.html

 


■ プラン選択の目安

伝送損失/線路距離
伝送損失/線路距離
10dB前後/1km前後 高速度が期待できる。
10〜30dB前後/1〜2km前後 回線状況が良ければ、 高速度が期待できる。
30〜35dB前後/2〜2.5km前後 条件がよければ、若干の速度向上となる可能性はある。
35〜60dB前後/2.5〜4,5km前後 1.5Mプランやモアタイプを利用する方が速度が期待できる。
60〜75dB前後/4.5〜6km前後 損失が大きいため、モア(12M,24M)の長距離対応機能に頼る必要がある。
速度的には、十分とは言えないが、ISDNの64Kbpsは遙かに上回る可能性があり、メリットはあると思われる。


■ 参考   

  •  電話を利用しない場合とは、インターネットのみを利用する場合で、事業所などで、電話はビジネスホンなので、スプリッタで1回線だけ分離するのが難しい場合や、一部のガス自動検針システムなどではADSL回線で利用できない場合があり、どうしても通常の電話回線も残す必要がある場合の形態。設置負担金は不要だが、電話の基本料がないため、月々の利用料金に別に回線利用料が含まれる。そのため、料金が高くなっている。

  •  また、電話を2回線利用することが目的でISDNを利用していて、ISDNとADSLと両方使いたい場合にも、電話を共用しないタイプ2を追加(設置負担金は不要)で契約できる。NTT方式ではISDNとの干渉を防ぐために、ISDNと同期をとり、干渉の発生するタイミングでビットレートを調整して、共存が可能な仕様になっているため、共用は可能。

  •  ISDN回線からADSLへ変更する際には、アナログ回線(一般電話回線)に戻すことが必要になるが、現状では電話番号の変更を伴う。電話番号を変えたくない場合は、ISDN回線をそのままで、タイプ2を追加する方法もある。

  •  また、アナログ加入電話を引く必要がある場合は、普通に加入電話を引くと設置負担金が必要となるが、加入電話・ライトと言うサービスを使えば、設置負担金の7万2千円が不要になる。その代わりに、月額使用料が640円割高になるが、約9年3ヶ月以内は、最初に設置負担金を払うより、割安である。


■ ADSLで利用できないサービスの例

  • オフトーク通信サービス/NTTの情報提供センタからの地域情報、生活情報などの各種情報を、届けするサービス。 加入電話回線を介し、回線の空き時間を利用して行う。災害や交通情報など、地域に応じた情報を配信する。

  • 信号監視通信サービス/宅内から常時送出される監視信号をNTTの信号監視検出装置で監視し、状態変化が発生した都度、あらかじめ指定された監視センタなどへ通知するサービス。
    • セコムや綜合警備会社などの監視線電話線と共用している場合は、同時に利用できない可能性が高いので、事前に確認しておく必要がある。

  • 遠隔指針(ノーリンギング通信サービス)/電気、ガス、水道の事業者の検針センタなどから、家庭などの既設回線を利用して電話機のベルを鳴らすことなく、各メーターの検針ができる双方向型の回線サービス。

■ 提供エリア

・ほぼ、全国で利用可能だが、実際には提供エリアであっても、交換所からの距離によって、サービスを受けられない場合がある。

サービスエリアや「線路情報」・「直線距離」の確認

NTT東日本エリア

NTT西日本エリア

フレッツ・ADSLの申込み


■ 追記

2004年4月現在、西日本エリアでは長期割引サービスが提供されている。

詳細は、下記を参照。

NTT西日本の割引サービス

2004年7月現在、40Mや47Mタイプも提供されています。 

詳細は、下記を参照。

 NTT東日本フレッツADSL

 NTT西日本フレッツADSL