光ファイバー(Optical Fiber)方式入門


◆ 概略ですが・・・

  •  光ファイバー伝送方式は、髪の毛よりも細い(0.125ミリ前後)ガラス繊維や特殊なプラスチック素材のファイバーと言う透明なケーブルを使って通信する方式です。

  •  海上で船どおしが、ライトを点滅させて、モールス信号で通信するのと考え方は同じです。

  •  夜間に車のライトや懐中電灯を照らしてみるとわかるように、光も距離が離れるとだんだんに届かなくなりますが、これは、光が拡散していくからです。レンズで光をある程度は集めることはできますが、空気中のチリなどの障害物に当たって、反射し、徐々に拡散して消えていきます。

  •  レーザー光は特殊な光で、1筋の光が直進して進む特性があり、レーザー光は長い距離を到達することができますが、空気中ではやはり、障害物に当たって、徐々に減衰していきます。

  •  そこで、この直進性に優れたレーザー光を障害物のない媒体に閉じ込めて、長い距離を伝送する方式が考えられました。これが、光ファイバー伝送方式です。

  •  光ファイバは、普通のガラスより純粋な透明なガラス管のようなものです。 不純物が少ないため空気中のように障害物で減衰する程度が低いので、レーザー光を長距離伝送可能です(長距離伝送用の構成では、40km〜80km距離でも十分に伝送できます) 。

  •  光ファイバーで伝送されるレーザー光は、比較的長距離伝送には、半導体レーザー(LD)が使われますが、短距離ではコストの安い、高輝度発光ダイオード(LED)も利用されています。

  •   光ケーブルを取り扱う時の注意点は、急な角度で曲げないことが基本です(曲げ半径Rを十分にとるといいます)。余った光ファイバケーブルを束ねるときは、大きめに巻いて押さえつけないように固定します(電気のケーブルのように適当にぐるぐる巻きにして、縛るようなことをしてはいけません、デリケートに扱いましょう)。

    また、加入者宅に引き込まれるケーブルは保護措置が施されていますが、半径5cmぐらいまでが、曲げの限界でしょう。それ以上に、曲げて、万が一、ケーブルが折れると、電線のように簡単につなぐと言うわけにはいかないので、大変です(折れなくても急に曲げた状態では、光がファイバ内を反射して伝送しなくなります)。

  •  閉じ込めたレーザー光は、受信ではフォトダイオードと呼ばれるような受光素子で、光を受信して、電気信号に変換されます(送り側は発光素子、受信側は受光素子により構成されます)。

  •  光伝送方式でもっとも損失(減衰)の発生する部分は、接続点です。電柱上の光ケーブルで接続するときは、 融着接続と言って、専用の接続機器を使って、ファイバ自身を溶かしてつないでしまいますが、それでも、高精度で接続しないと大きな損失が発生してしまいます。

  •  われわれが身近な部分では、回線終端装置へ光ファイバーを接続するところでしょう。回線終端装置は小さな細長い弁当箱程度の大きさで、光ファイバをコネクタと呼ばれるもので接続します。これは、工事業者の方が行います。注意することは、このコネクタは絶対に抜かない(触らない)ことです。

    コネクタは、光ファイバーと回線終端装置の受光素子(あるいは発光素子)へ接続するためのもので、ケーブルの先端(端面)は、ほこりなどの不純物がつかないように、専用のクロスで磨かれて、接触接続されています。
    これを抜くと、空気中のほこり等が付着して、接続損失が大きくなり、通信エラーの原因になります。

    光ケーブル側はくれぐれもいじらないようにしましょう。また、光ケーブル伝送で使われるレーザー光の波長は、眼には見えないものなので、光ファイバーを覗いても光が見えるわけではありません。

    眼には見えませんが、実際にはレーザー光が眼に入るので、高出力のレーザー光を浴びると失明の危険性すらあります(光ケーブルの断線個所を調べたりする特別な用途の場合には、可視光源を光ケーブルに通すこともあるが、通常の通信では使われない)。

  •  通常、光伝送では、送信用ケーブルと受信用ケーブルの2対のケーブルが使われますが、Bフレッツの加入者光区間では、コスト削減意味もあってか、波長分割技術を使い、1本の光ケーブルで送信と受信の波長を変えて通信するので、通常、Bフレッツでは回線終端装置に接続される光ケーブルは1本で送受信を同時に行います。