LAN入門


 

  •  LANとは、ローカルエリアネットワークの略で、事業所や建物内で複数のコンピュタ−間の通信を可能にする技術です。このLANと離れた場所にあるLANを接続するものをWAN(ワイドエリアネットワーク)と呼び、インターネットはいわば、世界規模のWANと言えるでしょう。

  •  ダイヤルアップで、インターネットへ接続するためには、プロバイダのアクセスポイントへ電話をかけて、接続して、プロバイダからインターネットへ接続します。この場合は、パソコンからモデム(内蔵の場合も含む)あるいは、TA(ISDN回線では、ターミナルアダプタがモデムの代わりをする)を通して、通信をします。

  •  パソコンとモデムまたはTAとの接続は、シリアルポート(RS232C)かUSBポートで接続しますが、シリアルポートでの接続はケーブルの長さの制限も問題ですが、通信する速度も低速で、ADSLなどの高速回線へ対応できません。USBでは、ある程度の速度は確保できるのでADSLにも対応は可能です。実際、ADSLモデムには、LAN対応とUSB対応の2機種が用意されています。

  •  ただ、ADSLなどの高速回線に対応するには、LANの方が適しています。LAN通信は、イーサネットと言う通信方法が標準になっており、LANに接続するポート(接続する所)をイーサネットポートとか、単にイーサの口などと呼んでいます。

  •  通常、ADSLモデムやCATVのケーブルモデムには、LANのポートがあって、それとパソコンとを、LANケーブルで接続します。LANケーブルの長さは、最大100メートルと家庭や小規模の事業所などでは十分な長さです。

  •  さて、ADSLモデムやCATVのケーブルモデムには、イーサネットポート(LANの接続口)がありますが、パソコンの方はどうでしょう?

  •  ビジネスモデルには、最初からLANポートが内蔵されているものもありますが、通常はないので、デスクトップPCにはLANボードを、ノートPCにはLANカードを増設します。これらは、NIC(ネットワークインターフェースカード)、ニックと呼びます。

  •  NICを増設する場合の、1つ目の課題は、Windowsに認識させることです。Windowsで利用可能にするには、ボードやカードの機器を取り付けて、ドラバーというソフトをインストールする必要があります。NICを購入する際には、使っているWindowsのバージョン(95,98,Me,NT4,2000,XP)に対応しているかをよく確認する必要があります。

  •  販売されている製品に付属しているドライバが対応していなくても、メーカのホームページから対応のドライバをダウンロードできることもあります。WindowsXPを使おうとしているのならば、ホームページで最新のドライバを常に提供しているメーカの製品を選ぶのがよいでしょう。

  •  ドライバのインストールで苦労するのは、NT4ぐらいで、他の場合はNICのマニュアル通りに、セットアップすれば大丈夫です。

  •  無事にNICを増設したら、後は、モデムとケーブルで接続するだけです。モデムにはたいてい1本はLANケーブルが付属しているので、これで接続します。付属していない場合は、LANケーブルも購入する必要があります。

◆ NIC(ネットワークインターフェースカード)の選び方

  •  NICも以前は高価だったのですが、いまではメーカ品でも千円前後で手に入ります。一般的なパソコンショップや家電店で売られているメーカは、メルコ・I/Oデータ・エレコムなどで、アライドテレシスもたまに見かけます。安売りで外国製品が売られていることもありますが、トラブル時や新しいドライバーの提供などの対応を考えると国産の大手メーカ品の方がよいでしょう。

  •  現在主流で販売されているものは、10M/100M自動切換えタイプです。家庭での利用では、100Mにこだわる必要もないのですが、10Mタイプだけのものは市場から姿を消しつつあるので、値段に大差がなければ10M/100M自動切換えタイプを選べばよいでしょう。

  • 推奨スペック:10/100自動切り替え・全二重通信(オートネゴシエーエーション・フルデュプレックス)

  •  価格の幅も千円前後から、5千円以上のものまでありますが、サーバ用途で24時間運用を考慮するならば、ある程度高価なものを選ぶ必要がありますが(私は、アライドテレシス製品をよく選定しています)、家庭での用途ならば、自分のパソコンとOSに対応していれば、安いもので構いません。

  •  安いNICは、製造や制御チップをRealTek、VIA、SiSなどの台湾メーカ品を採用しているだけで性能的には差はないと言っていいでしょう。

  •  Linuxなどにも使用したい場合は、対応をよく確認するほうがよいでしょう。チューリップと呼ばれる旧DEC互換、いわゆるDEC互換仕様ならば、まず対応していますが、最新のメジャーなLinuxディストリビューションでは、NICなどのハードウェアへ対応も幅広くなってきたので、使用するLinuxのバージョンとNICの互換性を確認できれば、敢えて高価なNICを選ぶ必要もないでしょう。

  •  なお、100MのNICを使用すれば、パソコン同士で100Mbpsで通信できるというものではなく、転送速度は主にハードディスクの転送速度などアクセス速度の遅いデバイスに左右されます。100メガやギガビットクラスのネットワークは、多くのパソコンが同時に通信を行ったとき、いわゆるトラヒックが増えたときに転送速度が低下しないようにするためで、そのような環境では高速のNICやスイッチングハブなどの機器を効率よく、配置する必要があります。