ディジタル通信では1と0のビット列を通信するので、どこからがデータの先頭でどこが終わりかを受信側で常に認識する必要がある。
これを送信側と受信側で同期をとるという。非同期方式とは、同期をとらない方式ではなく、調歩同期方式と呼ばれる方法でデータを送信する都度同期をとる方式である。
データの先頭にスタートビット、終わりにストップビットという同期をとるための信号を付加するので、実際のデータ以外に余分なビットを付加することになる。
このため、非同期64Kb/s方式では実際の通信速度は38.4Kb/sとなる。最近では、57Kb/sのモデムが出回っているので非同期64Kb/s方式より、このモデムの方が通信速度が速くなる場合がある。最近は見かけなくなったが、非同期64Kb/s方式しか対応してないプロバイダを使用する場合は、INS64を使用するメリットがあまりないと言えるかもしれない。
もっとも、57Kb/sのモデムは57Kフレックス方式と呼ばれ、下り(データ受信)が57Kb/s、上り(データ送信)が33.6Kb/sと異なることに加えて、アナログ回線の状態によって、必ずしも57Kb/sの通信速度が出るとは限らない。私の経験では、50Kb/sが
最高で最悪のときは28.8Kb/sの速度しか出ないときもあった。
同期方式では、送信側と受信側で常に同期をとって通信する
。同期の確立には、やはり、同期をとるための特別なパターンが挿入されているが非同期方式のように多くの付加ビットが加えられている訳ではないので、通信速度の低下は少ない。
プロバイダのアクセスポイントの説明に同期64Kb/s対応などと表示されている場合は、通信速度は64Kb/s確保できる。ISDN(INS)回線の場合は、TAとISDN交換機の間は、ISNDの項で説明してあるように、実際には144Kb/sで通信される。
この中に音声1回線相当の64Kb/s、2回線と16Kb/sデータ部分が含まれていて、16Kb/sの中に同期をとるための特殊なパターンが含まれている。つまり、TAと交換機の間は常に同期が取られ、交換機と交換機の間はもちろん、交換機から相手のプロバイダのTAまでの間も常に同期が取られている訳だ。
非同期方式は、TAとサーバ間のインターフェースとサーバの処理の問題で、ISDN導入初期時代の機器が高価だったときに用いられたものである。現在では、使用するモデムのドライバの選択でアンシンクロ(ASYNC)を誤って選択しないように気を付ければよいだけだろう。
同期64Kb/sでは、ダイヤルアップで接続で使用するモデムの選択で、SYNCと書かれているものを選ぼう。
TAによってはSYNC115Kb/sなどと表示があるものもあるが、これはパソコンとTAとの間の通信速度でモデムのプロパティに最高速度の欄で設定しているものである。
パソコンとモデムの間では同期をとったりエラー検出、制御のために余分なビットが付加されるため、実際の通信速度より速い必要がある。
ASYNCの表示があるものは非同期64Kb/s方式の場合に使用するものである。
また、128MPなどと表示があるものは、INS64で使用できる2回線を束ねて128Kb/sで通信する場合の設定である。
この場合は、モデムのプロパティに最高速度の欄で230Kb/sぐらいの速度が選べる必要がある。
シリアルポートが対応していない場合は、別に高速シリアルボードを追加しないと128Kb/sの性能は発揮できない。
128MPを使う場合は、BODなどの機能を利用するとよい(BODの項を参照)。
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