IEやOutlook Expressの起動が遅い


■ Windows起動後、IEやOutlook Expressの1回目の起動で、利用可能になるまでに時間がかかる場合は、必要のないフォントを削除することで改善することがあります。

私も気が付くと、このような状態になっていて、ずいぶん悩んだものです。WindowsXP自体は通常の時間で起動するのですが、初回にIEやOutlook Expressを起動するときに操作可能になるまでずいぶんと時間がかかっていたのです。

原因は検証目的でインストールした様々ソフトが自動的にインストールしたフォントに問題がありました。システムには700種類を超える日本語フォント・英語フォントがインストールされており、これらがIEやOEの起動時に影響を与えていました。

そこで、必要最小限のフォントだけ残して削除し、必要なフォントはその都度、追加するようにした結果、普通に起動するようになりました。

ここでは、フォント整理の手順とポイントについて解説していきます。


(1) エクスプローラを起動し、「ツール」→「フォルダオプション」→「表示」で、ファイルとフォルダの表示を「すべてのファイルとフォルダを表示する」へ変更、「登録されている拡張子は表示しない」と最下部の「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない」のチェックを外します。

(2)エクスプローラで、WINDOWSフォルダ(またはWINNT)に、fontsbackup フォルダを作成する(任意の名前で構いません)。

(3)WINDOWSフォルダ(またはWINNT)内のfontsフォルダ内のファイルを全て選択し、先ほど作成したfontsbackup フォルダへコピーします。

これは、必要なフォントファイルを後から復元できるようにするためです。

(4)コントロールパネルの開き、クラシック表示に切り替えてフォントを開きます。

※ 削除はエクスプローラではなく、コントロールパネル内のフォントを使います。

(5)項目名をクリックして、フォント名等で並びかえて、CTRLキーで複数選択、SHIFTキーで範囲選択などの操作で不要なフォントを選択し、削除します(上部メニューのファイル→削除)。

システムフォント赤の”A”で表示されているフォントはシステムで使われるものなので、削除してはいけません。

※ fontsフォルダは特殊なフォルダで、フォント名が表示されますが、fontsbackup フォルダ等では通常の表示になるので、復元するときの目安はファイル名になります。

※ fontsbackup フォルダではフォント名が表示されませんが、フォントファイルを開けば、フォントのイメージが表示されるので、どんなフォントか調べることができます。

また、通常は表示されませんが、 Marlett.ttf、Dosapp.fon、Vgafix.fon などは大切なフォントなので絶対削除しないでください(通常、ロックされていて、表示もされませんが検索すると見つかるでしょう)。

以下に通常、必要とされるフォントの一覧を示しておきます。

これら以外のフォントはすべて削除しても構いません。後で必要ならば、いつでもfontsbackup フォルダから、fontsフォルダへコピーすることでインストールできます(コントロールパネル内のフォントから、上部メニュー→ファイル→新しいフォントのインストールでもできます)。

もちろん、よく使うフォントは残しておきましょう。

下記のリストはWindowsXPのもので、システムによっては存在しないフォントもあります。
また、リストの他にもMSがついているフォントはソフトによって必要な場合もあるかもしれません。例えば、Arial Unicode MSは多言語対応フォントで表示に必要なフォントが存在しない場合に使用されます。様々な海外の言語を表示したい場合は必要でしょうが、日本語と英語しか必要としない場合は無くてもよいでしょう(削除しても必要な場合にはバックアップから簡単に戻せます)。

 

削除しないほうがよいフォント一覧
フォント名
ファイル名
Arial Arial.ttf
Arial Black Ariblk.ttf
Arial Bold Arialbd.ttf
Arial Bold Italic Arialbi.ttf
Arial Italic Ariali.ttf
Batang & BatangChe & Gungsuh & GungsuhChe batang.ttc
Comic Sans MS Comic.ttf
Comic Sans MS Bold Comicbd.ttf
Courier 10,12,15 Coure.fon
Courier New Cour.ttf
Courier New Bold Courbd.ttf
Courier New Bold Italic Courbi.ttf
Courier New Italic Couri.ttf
Estrangelo Edessa Estre.ttf
Franklin Gothic Medium Framd.ttf
Franklin Gothic Medium Italic Framdit.ttf
Gautami Gautami.ttf
Georgia Georgia.ttf
Georgia Bold Georgiab.ttf
Georgia Bold Italic Georgiaz.ttf
Georgia Italic Georgiai.ttf
Gulim & GulimChe & Dotum & DotumChe Gulim.ttc
Impact Impact.ttf
Latha Latha.ttf
Lucida Console Lucon.ttf
Lucida Sans Unicode L_10646.ttf
Mangal Mangal.ttf
Microsoft Sans Serif Micross.ttf
MingLiU & PMingLiU Mingliu.ttc
Modern Modern.fon
MS ゴシック & MSP ゴシック & MS UI Gothic MSGOTHIC.TTC
MS Mincho & MS PMincho MSMINCHO.TTC
MS Sans Serif 8,10,12,14,18,24 Sserife.fon
MS Serif 8,10,12,14,18,24 Serife.fon
MS-DOS CP 437 App932.fon
MS-DOS CP 949 App949.fon
Mv Boli Mvboli.ttf
Palatino Linotype Pala.ttf
Palatino Linotype Bold Palab.ttf
Palatino Linotype Bold Italic Palabi.ttf
Palatino Linotype Italic Palai.ttf
Raavi Raavi.ttf
Roman Roman.fon
Script Script.fon
Shruti Shruti.ttf
SimHei Simhei.ttf
SimSun & NSimSun Simsun.ttc
Small Fonts Smalle.fon
Symbol Symbol.ttf
Symbol 8,10,12,14,18,24 Symbole.fon
Tahoma Tahoma.ttf
Tahoma Bold Tahomabd.ttf
Times New Roman Times.ttf
Times New Roman Bold Timesbd.ttf
Times New Roman Bold Italic Timesbi.ttf
Times New Roman Italic Timesi.ttf
Trebuchet MS Trebuc.ttf
Trebuchet MS Bold Trebucbd.ttf
Trebuchet MS Bold Italic Trebucbi.ttf
Trebuchet MS Italic Trebucit.ttf
Tunga Tunga.ttf
Verdana Verdana.ttf
Verdana Bold Verdanab.ttf
Verdana Bold Italic Verdanaz.ttf
Verdana Italic Verdanai.ttf
Webdings Webdings.ttf
WingDings Wingding.ttf
WST_Czech WST_Czech.fon
WST_Engl WST_Engl.fon
WST_Fren WST_Fren.fon
WST_Germ WST_Germ.fon
WST_Ital WST_Ital.fon
WST_Span WST_Span.fon
WST_Swed WST_Swed.fon

 

(6)フォントキャッシュをクリアします。

これは、私の作成したツールを使うのが簡単でよいでしょう。

下記のリンクからツールをダウンロードして実行してください。

  Windows2000,XPのみ

  Windows95,98,Meのみ

(7)Windowsを再起動します。

初回は、キャッシュの再構築などで多少時間がかかりますが、2回目以降はフォント整理の効果が現れます。

(8) エクスプローラを起動し、「ツール」→「フォルダオプション」→「表示」で変更した部分を元に戻します。

ファイルとフォルダの表示を「すべてのファイルとフォルダを表示する」、「登録されている拡張子は表示しない」の部分は、好みに応じて戻さなくても構いませんが、最下部の「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない」のチェックは入れておいた方がよいでしょう。