デジタル多重の考え方



以下の説明は分かりやすくするため、本当に簡略化してありますが、多重化の考え方などは、なんとなく分かってもらえるのではないかと思っております。


アナログとデジタルの話1(デジタル化について) のところで、音声を0と1の組み合わせの設計図で、通信相手に送り、受信側では、設計図を元に再生するという仕組みを説明しました。

これを2つ回線のデジタル設計図送信する、簡単なイメージ図にすると、下図のようになります。

デジタルでは、”0”と”1”を図の様に四角いパルスで送信します。
パルスの幅は、”1”の高さをどれくらいの時間維持して送信するかで決まります。
このパルスの幅は長くても短くても、”1”は、”1”です。設計図に影響はありません。
このパルスの幅を決定するのは、機器がどれだけ短いパルスを作れるか、また、受信して識別できるかに、かかっており、素子の性能向上や光伝送技術の進歩により、テクノロジーは進化し続けています。

さて、前図の電話1回線あたりのパルスの幅を半分にしてみたのが、下図です。

パルス幅を半分にしてできた隙間にパルスを入れて、1つの回線にまとめて
見ましょう。

このようにして、電話2回線を1本の電話線で送ることが可能になります。
受信側でちゃんと順番通りに取り出して、分離すれば、混線することもありません。


参考
実際に音声を圧縮しないで通信する場合の伝送速度は、元の音声の波形をほぼ完全に再現するために標本化定理というものに基づいて設計されており、1秒当たり8000回サンプルを取り出して、それを8ビットのデジタルの設計図に符号化するため、伝送速度は64Kbpsとなっています。
INS64では、この64Kbpsの音声回線2本(B1、B2チャネルと呼ぶ)と制御やその他のデータ通信用の16Kbps(Dチャネルと呼ぶ)を合わせて、144Kbpsの伝送速度となっています。

さらに、余計な話
INS64では、電話線を利用して、高速なデジタル伝送を可能にするため、近端漏話を防ぐ技術として、ピンポン伝送方式を採用しています。