二の巻き


● パソコンとパソコンをつなげば、LANになる。本当のところはどうやりゃいいですかい。

★ とりあえず、NIC(ネットワークインタフェースカード)をLANにつなぎたい端末に装着する必要があるな。
ノートパソコンには、PCカード(インターフェース内蔵の機種もある)、デスクトップタイプにはLANボードを実装するのじゃ。

● それには、種類はあるんでかい。

★ LANでの通信手順の方法もいろいろあるのじゃが、普通はLANといえばイーサネット(Ethernet)という通信手順(プロトコル)を使うものと思っておればよい。店に置いてあるものは、ほとんどイーサネット用のLAN関係の機器じゃ。

● それでは、深く考えずにと思ったんですが、CAT3やCAT5、10BASE5、10BASE−T、100BASEなんて名前が書いているのかなんのことで?

★ CATはカテゴリー(分類)で続く番号で接続に使うケーブルの規格を分類しておる。最近では店で見かけるものは、CAT5じゃないかな。ちなみに、CAT1は電話、CAT2はISDN、CAT3は10BASE−Tなど、CAT4トークンリング、CAT5は100BASEなどで使われる。CAT5のケーブルはISDNでも10BASE−Tでも使えるが、その逆はだめじゃぞ!

● CAT5が一番品質がいいんですね。

★ そのとおり、まぁそれ以上だと光ケーブルとなるな。深く考えんでもよいが、ケーブルには銀紙で内部をくるんで雑音を防ぐシルードタイプのシールドツイストペアケーブル(STP)とシールドをしていないアンシールドツイストペアケーブル(UTP)がある。ツイストペアとは、ケーブル内の2本線をよって(ねじって)1本にまとめることで、ケーブル内を流れる電気の+と-を中和させて雑音防止を図るものじゃ。

もっとも、STPはコストの割に効果が薄いのと通常はそこまで必要ないので、UTPを使うのが一般的じゃ。
ついでに言うとケーブル内には4本ペアで8本の線が入っており、ケーブル芯線という。芯線の使い方はLANの種類によって違うが10BASE−Tでは中の4本だけでよい。

● 深く考えるなといいいながら、説明がながいなぁ。

★ なにぉー、ケーブルにはまだ、同軸ケーブルというのもあるのじゃ。知らんかっただろ。こいつは、中央に芯線があってその周りを絶縁物で多いその周りを網状の線でくるんで、その上に被覆があるものじゃ。

● なんでぇ、TVのUHFやBSアンテナをつなぐ丸い形のケーブルでしょうが!

★ じゃが、LANでは2種類の規格がある。1つはイエローケーブルといって、ケーブルが黄色なのが標準なのでこう呼ばれておる。これは、10BASE5といい、10は帯域すなわち10Mb/sの通信速度を表し、BASEとは通信方式をあらわしておる。BASEはベースバンドの略でベースすなわち土台を決めて、バンドすなわち帯域を使う。簡単にいうと、0Vを基準に+か-のどちらかに電圧があるなしで区別して、通信するすなわちこれが世に言うデジタル通信方式じゃ、まいったか。

● それじゃ、アナログはどう言うんで?

★ それはBROADという。ブロードバンドの略で、幅の広い帯域を使うという意味でいろいろな周波数を使って伝送する通信方式じゃ。我々の話している音声は途切れのない複雑な周波数の組み合わせで構成されているが、これをISDNというデジタル通信で送るときは、ターミナルアダプタのアナログポートから入ったアナログの波形を切れ切れに取り出して、数字化してこれをデジタル符号化して送り、受信側のTAでもとのアナログ波形に組み立てているのじゃ。

 じゃがのー、最近では、ADSLや光や無線・衛星伝送方式でもなんでも、単に伝送帯域の広い方式をブロードバンドと呼んでいるようじゃのぅ。

● それじゃ、受信側がISDNでなかったら、音声を復元できねぇじゃないですか?

★ 受信側がアナログの一般電話だったら、交換機のほうで組み立てるから心配無用じゃ。話を戻そう。10BASE5の10は帯域すなわち10Mb/sの通信速度を表し、BASEはデジタル通信を表す。最後の5の数字は通信可能な最長の距離を表す。単位は100メートルですなわち5ならば500メートル。

整理すると、10BASE5は同軸ケーブル(イエローケーブル)で通信速度は10Mb/s、最大通信距離は500Mということじゃ。

もうひとつの同軸ケーブルの種類で10BASE2というのがあるが、これは最後の数字が2なので最大200m(実際には185m程度とされている)利点はケーブルが10BASE5の直径約10mmに比べ、10BASE2はその半分の5mmで取り回しがしやすいことじゃろう。

 長々と話してきたが、長距離伝送が必要な幹線は既に光ケーブルが主流になっているので、10BASE5や10BASE2などは消え行く運命なので覚なくてもよい。

● なんじゃそりゃ!それじゃ、10BASE-Tの件はどうなんですかい?

★ 最後にハイフンが付くとケーブルの種類を表し、Tはツイストペアケーブル、Fが付いたら光ファイバーケーブルを表す。我々がもっともよく使うのは、10BASE-Tで、通信速度は10Mb/s、最大通信距離は100m(実際には90m程度とされている)。ちなみに最近では通信速度100Mb/sの100BASE-Tが増えておる、これを使う場合はケーブルはCAT5じゃぞ!

ちなみに、10Mb/sと100Mb/sの速度のLANは混在可能じゃ。いきなりすべての機器を100Mb/sに変えるのは金がかかるでな。それゆえ、最近のNIC(ネットワークインターフェースカード)は、10/100Mb/s自動切換えのものがほとんどじゃ。

● NICさえ100M用対応にすれば、100MのLANになるんですね。

★ それだけではだめじゃな。10BASE-Tは最大ケーブル長が90mだから、通信距離を伸ばしたり、接続端末を増やすために、ハブとい機器を使うこいつはケーブルを通って劣化した信号を整形して、元に戻して送り出す機能があるので、リピーターハブと言うのが本当じゃ。普通は単にハブ(HUB)という。

また、ハブには通信をする機器同士を振り分けて無駄がないように処理してくれるインテリジェントハブというのもある。インテリジェント機能のない普通のハブをバカハブと呼んで区別する人もいるが品がないな。ダムハブと呼んでもよいが、単にハブ、どうしても区別したいのなら、ノーマルハブやノンインテリジェントハブと呼べばよい。

またまた、話がそれたがNICだけでなく、HUBをはじめとする構成機器全体が100M対応にならねば、LAN全体的には100Mにはならない。HUBも自動切換えになっているので、区間毎には速度アップも可能かな。

なお、最近ではスイッチハブというのが主流になった。ノーマルハブでは入った信号を全ての分岐ポートへ流すだけじゃが、スイッチハブは行き先を学習して、無駄な信号を流さないで、見かけ上、目的の機器と機器を一対一で接続しているようにできるので、効率がよく、高速通信が可能じゃ。
その他にもメリットはあるが、サーバなどの1台の機器に 通信が集中する形態ではかえって効率が悪くなる場合もないではない。
しかし、今ではハブと言えばスイッチハブじゃな。

なお、単にスイッチというと多少意味合いが異なるぞ。この話はもっと修行を積んでからじゃ。

● 今日は長話で疲れもうした。最後に家でパソコン2台をLANでつなごうと思ったらどれくらい予算がかかるのですか?

★ Window95以上のパソコン同士なら簡単なものじゃ。LANボードは、1000円前後ぐらいから、ノートパソコン用のLANカードなら2000円前後くらいからあるし、WindowsXPパソコンならば標準で付いているじゃろう。接続も2台ならば、クロスケーブルを使えばハブも不要じゃ。

ケーブルも10mくらいから50mくらいまでがよく売られている。まあ、CAT5で1000円ぐらいからじゃな。

つまり、1万円もあれば、LANが構成できる。フロッピーでやり取りのできない大きなファイルの転送や、デスクトップに、大容量のハードディスクを増設して、容量の少ないノートパソコンのデータを移したり、バックアップしたりと快適じゃぞ!

ただ、メーカはクロスケーブルによる接続は推奨してないが、普通は大丈夫じゃ。私も50mクロスケーブルで100MのLANを使っているがなんの問題もない。ただ、ケーブル長やNICの相性によりうまくいかない場合もあるかもしれない。そのときは、HUBを使うしかないが、これも2000円前後くらいからあるぞ。

インターネット接続用のルータにも、大抵、4ポート程度のハブが付いているぞ。

● NICは安いものでも大丈夫でしょうか?

★ ふむ、特売で500円などというのも見かけるが、要はメーカを見て買った方がよいな。外国製のわけのわからんメーカの品が激安で出ている場合も見かけるが、自分がその製品のホームページをドライバーのアップグレードなどの対応状況、対応OS、機種などが確認できて、大丈夫だと思えばどれを選んでもよい。英語はだめなら、国産のサポートのしっかりしたメーカの品を買うのがよかろう。

ちなみに、私的な見解だが、一般的なパソコンショップで手に入るメーカでは、アライドテレシス・I/Oデータ・メルコ・コレガ・LANEED(エレコム)などが安心かな。

高価なNICは処理能力が高いのと信頼性が高いと言うのが売りだ。24時間運用するような機器では、安価なものはさけた方がよういじゃろう。

また、安価なNICでは100M対応でも実効速度が半分ぐらいになるようなものもあるかもしれないが、家庭で使う程度なら、それほど気にしなくてもよいぞ。

あー、疲れた今日はここまでじゃ!!